Androidsを読んだ

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Android開発者の著者が初期のAndroid開発に携わった関係者をインタビューして、特質すべきストーリを書き出したもの。低レイヤーのカーネルからドライバー、プラットフォームを作るためのAPIなど開発秘話をカバーしている。文章自体は読みやすいものの登場人物も多くて、読み終えるまでそれなりに時間がかかってしまった。416ページ。英文読むのもっと早くなりたい。主に開発者のストーリが多くて、技術的な話も出てくるけれど著者がうまく噛み砕いて表現してあるので非エンジニアでも読める内容ではある。読んで楽しいかどうかはわからないけれど。

特に印象に残ったのは、Androidの開発初期はそれまでWeb TVBeOS開発を主な主戦場としてやってきた手練のエンジニアが集まっていたんだなとか、ハードデッドラインなプロジェクトはやっぱり胃が痛くなるんだけれど、結果的に革新的なプロダクトを作り上げ、こうしてインタビューされているというのはエンジニアとしては輝かしいキャリアだよなとか。どの話を聞いても、みんな本当にハードワークしていている。ローンチに間に合わせるためにBacon Sundayと言って、日曜日の朝食にベーコン用意して仕事していたとか、働きっぷりがすごい。それに加えて、これだけの規模のプロジェクトをまとめあげたのは、Andy Rubin含めリーダシップの強さだろうなとか。Jobsほどじゃないのだろうけど、それなりにトップダウンだったんだといくつかのストーリを読んで思った。

本書でも何度となく述べられている、エンジニアの自主性(Autnomy)。エンジニアが主体性を持って、問題発見から問題解決までやれるチームってとてもかっこいいと思う。これぞスタートアップという感じ。チケット切ってトリアージしてって、スケールするには必要なことかもしれないけど、やっぱりどこかサラリーマン的に働いてしまう部分があるのかもしれない。その点、Dianne Hackbornさんのストーリとかグッとくるものがある。

But the team decided to go with the Activities approach. Jeff explained how that happened: “Dianne had a vision of what she wanted, and she just sat down and typed it out. That’s the way it worked, because she was productive and got things done.”

などなど、Android OS誕生のストーリが気になるのであれば、読み応えのある、いい本だと思う。