2024年読んで良かった本

今年はコミック・雑誌を除くと45冊読んでいた。その中から、2024年に読んで良かったと思う本を数冊紹介。

1. Inspired: How to Create Tech Products Customers Love

読んだ中で数少ないテック系の本。しかもプロダクトマネジメント向けの本。最初にPdMは9am-5pmのしごとじゃないよとはっきり言っている点が好印象。自分の経験としても一致しているというか、優秀だなと思うPdMはハードワークな人が多かった。n=1の意見だけれど。PdMかくあるべしという以外には、歴代の伝説的PdMのエピソードも交えてある。今では当たり前になっているAdobeのCreative Cloud。当時の主流は買い切りモデル。そこからサブスクへの移行をリードしたLea Hickmanさんの話は、いま考えても胃が痛くなるようなプロジェクトだと思う。こういうのをやり遂げれるのってまあそのプロジェクトにいたからやれたという運の要素もあるとは思うけれど。それでも根回しとか大変だっただろうし(実際に根回し頑張ったと書いてあった)相当な胆力がないとやりきれるプロジェクトじゃないよなと。結果として、売上があがっているんだから説得力がある。原文で読んだけれど、翻訳もあるそう。1

2. 魂でもいいから、そばにいて ─3・11後の霊体験を聞く

3.11、東日本大震災のあと、心霊体験を経験する被災者が増えたことを調査したノンフィクションドキュメンタリー。内容が本当に重いので、読み進めるが辛かった。特に小さな子どもをなくしてしまった親のエピソードは胸を締め付けれる気持ちになった。これまで霊体験をしたことも、幽霊を信じたこともなかったけれど、簡単にその存在を無視はできないかもなと思ってしまった。というか、合理的な考えだけでは救えない状況というのは確かに存在しており、その状況を受け入れるには非日常的な現象や物語も必要なんだと思う。2022年頃に東北地方を三陸鉄道で南下する旅をした。そのときに、実際に津波に流されてしまった旅館の女将さんの話だったり、陸前高田にそびえ立つ防波堤を目の当たりにした。その経験が、この本をより身近に感じさせたのかも。

3. ユニクロ

ユニクロの創業者・柳井正氏の生い立ちから、山口の地元企業が世界へと展開していくまでの快進撃を描いた一冊。昔働いていた会社であり、自分が取り組んでいた有明プロジェクトなんかも後半に紹介されている。懐かしい。実際に顔を知っている人も登場していることもあり、下手なドラマより面白く読めてしまった。柳井さん、個人的に日本で一番の経営者だと思っているので、これからも頑張ってほしい。(自分が言わなくても大丈夫そう。)

4. スバル――ヒコーキ野郎が作ったクルマ

家族で車を買おうかという話があり、その中でも注目しているのがスバルのフォレスター。ひとまずスバルという会社がどういう会社か知るために読んでみる。始まりは戦前、戦闘機を作っていた中島飛行機から。操縦士の命を守るために鉄板一枚を使った設計にこだわった話なんかはとてもいい。このあたりがアイサイト等の安全第一というコンセプトにつながってくる。もともと自動車メーカーではないので、東京の洋書店、神田の古本屋に通い詰めて車の設計・開発・生産技術を学んだ話も良くて、スバルっていうのはエンジニアの会社なんだなと理解。

2025年は今年よりも読む数を増やしたいなと思う。