読書 語学の天才まで1億光年
好きなノンフィクション作家、高野秀行さんの新刊。著者がこれまで学んだ25以上の言語体験に基づいた語学学習のヒントであったり、考察について語る。これまでの高野さん作品のエピソードも交えた解説のため、舞台裏を覗くようでさらに面白い。
また、高野さんの言語に対する考察が鋭くて、例えば「言語内序列の法則」(上手く話せる人の方が優位に立てるという理不尽な法則)については、自分も流暢とは言えない英語を仕事で日々使っており心当たりがある。言語の不自由さで涙した時期にこの法則を知っていれば、もう少し心の平穏を保つことが出来たかもしれない。
いずれにせよ、高野さんファンであればぜひお薦めしたいし、僕自身はこれを読んで再び彼の作品を読み返そうと思った。
本題とは関係ないが、現時点で電子書籍版は無く、単行本でしか購入できない模様1。普段はKindle版を優先するので久々の単行本であったけれど、解説イラストや写真も添付されており体験が良かった。装丁がキレイなのもいいし、家族とも共有しやすい。今後の紙vs電子の購入判断として、下記条件を定義してみた。条件に一つでも当てはまる作品は紙媒体で買おうかなと思う。面白いことに、本作品は全条件に当てはまっていた。
- 家族と共有したいもの
- 装丁が美しいもの
- 読み返したいと思えるもの
- そもそも電子化されてないもの
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2022年9月24日現在 ↩︎