その女、ジルバを読みました
rebuildfm で basuke さんが紹介されていたその女、ジルバを週末にかけて読み上げた。
読み出しは、有間しのぶの作品を読むのも初めてだったためか、画のタッチも話の内容もそこまでピンと来なかったのだけど、 過去の話が始まるに連れて、作品にがっつり引き込まれてしまう。。
結果、めちゃくちゃ面白い。
あらすじ、内容紹介については、Amazon の商品詳細を見てもらえるといいかと思いますが、 何故この漫画が僕を惹きつけたかというと
- ブラジル移民に関する話、郷愁というテーマ
- 戦後の描写
- 細かいギャグ
なのかなと思っています。
漫画を読み終えて、一番感心したのが、見開きに渡る参考資料書籍、リンクの多さ。漫画を一つ書き上げるために史実をしっかりと理解する筆者の姿勢を感じるなと。
この漫画を読み終えて以降、ブラジル移民について感心が湧き、web 上にあるさまざまな情報を読んでみました。中でも、国立国会図書館が提供するこのサイトはブラジル移民前史から現在に至るまでを網羅しており、大変勉強になりました
http://www.ndl.go.jp/brasil/s1/s1_1.html
「自分達は食って行く丈なら日本にゐてもやって行ける。親を泣かせてまで伯国三界まで来はせぬ、奴隷同様に働いて未だ日収八百レース(邦貨四十銭)ではどうしても働けぬ」(萍花生「邦人発展の恩人 上塚周平氏訪問記」『伯剌西爾時報』昭和 3 年 6 月 22 日より
希望を持ってブラジルに訪れ、予想以上の過酷な環境を強いられ、期待以下の報酬しか受けれなかった先人たちから発せられた言葉には考えさせられるものがあります。
(移民開始後の、3-4 年後には生活は安定し日本にも仕送りできるようになったそうです)
また、勝ち組・戦勝派についても語られており、敗戦はデマであり、実は日本が勝ったというデマが日本の敗戦を受け入れたくない多くの人に信じられていたといこと。
そして、太平洋戦争後、ブラジルから日本に変えるためには日本円が必要だと、新円切替で紙くずになった日本円を騙して売りつける詐欺が頻発したのも驚く話です。
戦争時には、日本を始めアジアに救援物資を送るLara 物資機関を通して、ブラジル移民から日本への物資支援が行われていたにもかかわらず。
また、ジルバと主人公の共通点では福島という土地も取り上げられています。
参考リンクに記載されていた元東電社員のインタビュー記事なども載せられています。
“その女、ジルバ”は 40 代の女性が出てくるギャグ漫画かと思いきや、郷愁といテーマでブラジル移民や東北大震災後の福島について考えさせられる漫画となっていると感じました。
いずれにせよ、OLD JACK & ROSE のようなステキなお店があるのであればぜひ行きたいなと思う限りですし、楽しくダンスするっていつ何時も割と物事を解決してくれるんじゃないかなと思います。 (雑